AM2:00 スカイツリー

ずっと昔ハタチくらいの頃、夜中にパジャマ姿で家を飛び出し、
自転車を往復6,7時間漕いでスカイツリーまで行ったことがあった。

その小旅行は誰の目から見ても青春18切符の自分探し旅行だったが、当の本人はいたって真面目に死に場所を探しに出かけたのだった。

道中どこか手頃なビルがあったらそこから飛び降りよう、最悪スカイツリーの近くの橋から、と決めていた。


道中、手頃なビルはいくらでもあった。
でも私は、もう少し、次あったら、とぐんぐんと進んでいき、挙げ句の果てに永田町のマックで休憩を取る始末だった。
「これが最期のご飯だ」
と食べるハッピーセットには緊張感のかけらもない。
そうこうしているうちに案の定、スカイツリーまで来てしまっていた。


私の人生はいつもそう、本当にやりたいことすら、まあ明日やればいっかなんて考えているのだ。
今回は必死の思いで出てきたのに、それすら後回しにして生きる自分に気がついて、心底情けなかった。

橋から見上げたスカイツリーは何とも美しく、冷徹で、私にこう言っていた。
「明日やろうは、馬鹿やろう」

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